TOTOP

コラム

  • 2022.03.18
  • 瓦屋根のお家はメンテナンス不要?メンテナンスを行うタイミングとは

埼玉県を中心に、外壁・屋根塗装から室内リフォームまで、お家のお悩みなら何でも解決する株式会社リフォまるです。

日本特有の瓦屋根、重厚感があって趣があり好んで瓦屋根を使えるハウスメーカーさんを探される方もおられるかと思います。
瓦屋根にはメンテナンスが必要な物とそうでないものがあるのはご存じですか?

小さいころにご近所のほとんどが瓦屋根だったという方もまだまだ多いかと思います。
使われている年代によってはメンテナンスがいるものとそうでないものもありますので、瓦屋根を使ったお家のメンテナンスや起こりうる症状の対策についてお話しできたらと思います。

瓦屋根にはメンテナンスは必要ない?

日本瓦
日本瓦(粘土を原料にした焼き物の瓦、和瓦とも呼ばれる)に限り瓦自体はメンテナンスの必要ありません。
耐久性に優れており、耐火性、防水性に非常に優れた屋根材ですので塗膜を保護する必要もありません。

自然災害によってズレたり、破損したり無い限り50年~80年以上使用することが出来ます。

ズレや破損が起きた場合は業者に頼んで修繕してもらう必要がありますが、変色や苔、藻の発生はメンテナンスの必要はありません。

また日本瓦の色合いに飽きたので塗装がしたいと思ってもお勧めはしていません。塗装を行っても塗料が密着しないためすぐに剥離していますからです。

このように日本瓦はメンテナンスにおいては非常に優秀な屋根材です。
日本瓦でない家が近年増えてきていますが、理由については諸説あり、これが最大の原因とは言えませんが屋根の素材も増えてきて選ぶ自由度が上がったことや、建売が増えたことなどが上げられます。
また、瓦を使うと固定資産税も上がってしまうことや、屋根瓦の重さに耐えられる家づくりにコストがかかることが減ってきている原因と言えるかもしれません。
しかし、上記のメリットを踏まえて、日本瓦にするお家は今でもありますので減ってきているようで新築で使われているお家もあります。お家つくりをする際は日本瓦にするのも素敵だと思います。

瓦だけ見ていたら大丈夫?必ず知っておきたい漆喰の話

優秀な日本瓦ですが、1点メンテナンスが必要な箇所があります。
日本瓦を使われているお家は是非覚えておいていただきたいのですが、漆喰(しっくい)と呼ばれるこの箇所

漆喰

こちらは必ずメンテナンスが必要です。
筆者の実家周りも屋根瓦を使った家は多いのですが、瓦が落ちてきているお家が数件あります。
メンテナンスが必要でないのにどうして落ちてきてしまうのか、それはこの漆喰のメンテナンスを怠ってしまったからです。

屋根の漆喰は、屋根の棟(むね)と瓦の間の隙間を埋め、瓦の下にある屋根の葺き土(ふきつち)を雨風から守り、替え瓦と瓦を接着させる目的で漆喰が塗られています。

瓦自体の寿命はとても長いのですが、漆喰自体は20年前後で面が朽ちてきたり、剥がれてきたりするのが一般的です。
漆喰は雨風に晒されると朽ちてきます。また、直射日光や寒暖の差による劣化や時間と共に漆喰が痩せてくるのでメンテナンスが必要です。

漆喰をメンテナンスすることで瓦屋根全体の耐用年数も保ち、日本家屋全体の寿命も長持ちさせることができます。

漆喰の劣化とは

漆喰は20年ほどで劣化すると書きましたが、屋根の下からだと漆喰は見えないことがほとんどです。
漆喰が剥がれてくると起きる現象としてはまず、棟の台土の流出が起こります。その後瓦の抜け落ちが始まり雨漏りにつながります。

台土

この棟の台土とは瓦を積む台となる葺き土のことを台土と言います。
お家で言うと基礎の部分になりますのでここを劣化させてしまうのは非常によくないといって過言ではありません。
本来ならば漆喰で台土をしっかりと保護しておかないといけない箇所になるので台土の流出に気が付いたらすぐに業者さんを呼ぶのが好ましいです。

漆喰の補修をしっかり行えば、漆喰のみの小さい補修だけで維持できますので予算的にも20年を目安に漆喰のメンテナンスを行ってください。

瓦の抜け落ちが主に起こるのは昭和初期までは主流だった土葺工法でくっつけられている瓦屋根です。

土葺工法は昭和初期までは主流の工法で瓦の下に葺き土を入れてくっつける工法で古い建物に多いかと思います。
現在主流なのは引掛け桟瓦工法と言って屋根の上に木を打ちつけ、そこに瓦をひっかけていく工法で地震等により屋根材に多くの被害が発生し、その対策として引っ掛け桟葺き工法が一般的に行われるようになってきました。

瓦のズレなどから棟の中に雨水が侵入し、その侵入した雨水によって葺き土が風化します。の結果、瓦への接着力がなくなり放って置くと中に入り込んだ雨水が外に出ようとする際、剥がれると言う考え方になります。

そして最後に雨漏りは雨水の侵入を放っておくと瓦の裏にも雨水が回り、瓦の下に施行してあるルーフィングと呼ばれる防水シートの劣化につながります。
ルーフィング
ここが劣化してしまうと雨漏りへとつながります。
雨漏りまで来てしまうと屋根の下地の補修も必要になるのでそこそこの費用がかかってしまいます。

このようなことが起こる前に20年を目安に漆喰はメンテナンスを行ってください。

メンテナンスの時には瓦の葺き土の状況も見てもらって必要であれば補修してもらうのが良いかと思います。
また、新築時に塗ってある漆喰は薄いので補修の時に厚み1センチ位までは塗り込めるのでお願いするとよいでしょう。

棟の中の台土が継ぎ接ぎなく通っているため、漆喰も途中で継ぎ接ぎすることなく塗り込むと剥がれにくく、耐久年数も伸びますので補修の際は技術的に可能かどうかも聞いてみるのが良いかもしれません。

日本瓦でないセメント瓦

セメント瓦とは1970年代から1980年代に流行したセメント製の屋根瓦のことです。
現在はほとんど作られなくなっていますので、こちらの瓦を使っているお家のメンテナンスを見ていきましょう。

セメント瓦はどうして作られなくなったのか

1970年代から1980年代に作られた建材は、断熱性・耐久性のためにアスベスト(石綿)が含まれることが多くありました。
そのためセメント瓦にもアスベストが使われているものが存在します。アスベストの問題から使われなくなっていったことも原因の一つです。
また、セメント瓦は日本瓦よりも耐久性が劣ります。50~80年といわれる日本瓦に比べて30年ほどでセメント瓦は表面に塗装が施してあるのでメンテナンスが必要な瓦です。
10年に1度という頻度で塗り替えが必要で塗膜が劣化したり剥がれたりした場合にも塗り直しなどのメンテナンスが必要となります。

セメント瓦は低価格な屋根材でしたが、スレートやガルバリウム鋼板の方が価格が安く需要を大きく減らしました。
セメント瓦からの葺き替えもガルバリウム鋼板などを使用することが主流となり新しい需要も発生しなくなっていきました。

セメント瓦をメンテナンスするときは

セメント瓦をメンテナンスするには10年に1度の塗り替えが必要です。またセメント瓦の寿命は概ね30年から40年程度なので寿命が尽きたら葺き替えが必要になります。
この場合主流なのは上記でも書きましたセメント瓦よりも性能が良く、安価な商品が多くなっているためガルバリウム鋼板などを使用することをお勧めします。

また、瓦屋根は1㎡あたり約60kgで金属屋根のガルバリウム鋼板は1㎡あたり約5kgです。
30坪のお家で考えると瓦屋根の重さは約6000kg、金属屋根のガルバリウム鋼板の重さは約600kgになりますのでガルバリウム鋼板での葺き替えは瓦の時より屋根が軽くなり、瓦のままより耐震性に優れています。

まとめ

弊社では瓦の屋根の修繕も承っております。
近年地震も多くなってきていますので瓦が崩れるなどの被害に見舞われた際は地震保険も適応できます。
思っているよりお安く工事ができる場合もありますので是非一度無料の御見積をお試しください。
押し売りのようなことは一切しておりませんので、お気軽にお問い合わせください。

  • 前の記事を見る
    • 飛び込み営業がきた!どう対処する?
  • 次の記事を見る
    • 屋根の形で違いはあるのか