コラム
- 2023.03.17
- シート防水工法の機械的固定工法について
埼玉県を中心に、外壁・屋根塗装から室内リフォームまで、お家のお悩みなら何でも解決する株式会社リフォまるです。
機械的固定工法とはなんでしょうか。大きなベランダや、アパート・マンションの屋上など、大きな面積での防水の時に使用されることが多い防水の工法です。
シートをコンクリートの下地に固着させる方法で、専用の固定金物を使用します。
いきなり機械的固定工法と言われると重々しくて身構えてしまいそうになりますが、どのような工法でどのようなメリットデメリットがあるのか見ていきましょう。
機械的固定工法のメリット
機械的固定工法のメリットとして以下の事柄が上げられます。
・既存の防水層を選ばず施工ができる。
・改めて下地を調整する必要があまりない。
※新しい防水層を破ってしまうくらいの突起など下地が極端に悪い場合や凹凸が激しい場合などは施工がしやすいように調整が必要です。
・他の防水に比べると下地調整のコストがかからない。
・熱や紫外線に強く10~15年ほどの耐久性がある。
・ランニングコストが低い。
機械的固定工法の施工はメリットも多く、意匠性も高いためよく使用されている防水の工法です。
機械的固定工法の施工の流れ
ここでは弊社で施工した塩ビ樹脂系シート防水(S-M2)での施工の写真をもとに説明していきます。
下地処理と確認
・不陸の調整や補修をして、平滑にする。
絶縁シートの敷設
・シートの敷設をします。突き付け又は50mm程度重ねて皺や膨れのないようにする。
・ジョイント部はテープを張り付ける
固定金具の取り付け
・固定金具を樹脂アンカーやビスを使って取り付ける。
ルーフィングシートの貼り付け
・シートのたるみやゆがみが残らないようにルーフィングシートを張り付ける。
ルーフィングシートの接合
・溶剤溶着又は熱融着で、接合部のすべてを接合する。接合幅は40mm以上とする。
・接合後点検をし、不良個所を補修する。
役物まわりの処理
シートの張り付け後、ルーフドレンや出・入り隅角などに成型役物を張り付ける。
誘導加熱装置「UD BOX」による接合作業
固定金具をルーフィングシートと接合させて固定します。
端末押え金物取付
シート端末部分にこのような押え金物を取りつけます。
接合端末部のシール
施工後
シートの端末や接合部が剝がれないようにすべての個所にシールを行います。
基本的にシート防水は2~4日ほどの施工で終えることができます。
ご覧のように仕上がりの意匠性も高く、10~15年ほどの耐久性があることも魅力です。
機械的固定工法のデメリット
ここまで機械固定工法は良いところばかりピックアップしてきましたが、
やはりどのような事柄でもデメリットは存在します。
具体的に施主様の目線でデメリットとなるべき点は以下になります。
・ビス打ちの際、振動や騒音がある。
・シート上の歩行の際に注意しなければならない。
・施工後の漏水原因箇所の確認が難しい。
詳しく見てみましょう。
ビス打ちの際、振動や騒音がある。
固定金具を設置する際にビスを打ちますが、コンクリートの下地の場合音や振動を増幅して伝播させますので予想していたよりも大きい音に感じることもあります。
シート上の歩行の際に注意しなければならない。
機械固定工法を理解している人は表面を見ればディスクを確認し、配慮して歩くことができますが、一般的には配慮して歩くことはありません。
硬い靴でディスクの上を踏むと、防水シートが傷つくことがありますので、歩行をされる場合はシートの厚みが1.5mmのものを使用されると傷がつきにくくなります。
屋上のメンテナンスのために人が上がるということは十分にあり得ますので、その際は気を付けてもらえるように口頭で注意喚起する、注意書きを用意する等の対処をしましょう。
施工後の漏水原因箇所の確認が難しい。
シートが完全に下地と離れていますので、漏水の上部付近を探しても原因の特定が難しいことが大きなデメリットです。
基本的には溶着剤や熱溶着で強固につけるので、漏水の可能性は非常に低いのですが、人が手で行う仕事ですので、施工上の不具合が起こることはゼロではありません。
このような場合は専門の業者にチェックをしてもらうしか方法がなくなってしまいます。
まとめ
実際に工事をするにあたって初めての工事内容は不安が大きいかと思いますので、メリットとデメリットをきちんと比較して確認することはとても大切です。
プロにお任せしておくこともよいですが、実際にご自分で調べる方も多いはずですので、こちらの記事が少しでもお役に立てたらと思います。
上記で説明した「塩ビ樹脂系シート防水工事」は株式会社リフォまるでも実際に施工する機会が多い工事になりますので、ご不安点、ご不明点があれば是非ご連絡ください。